2016年の早稲田大学での宗教学会において私が発表したクラスでは、紅楳英顕先生の司会で始まり、紅楳先生の発表が締めでした。内容は「浄土真宗における信前信後について」です。信心を獲れば自覚があると仰られます。同感です。
龍谷大学では、とても厳しい先生との噂で、発表後、緊張してご挨拶に行きましたが、笑顔がとても優しい先生です。『宗教問題15親鸞会とは何か』に載っていること、ネットでの配信などを教えて頂きました。そのご縁で、私も『ヤマサキズム』を送らせて頂くようになりました。
今年の4月29日、紅楳先生のご自宅近くの高槻駅の喫茶店で、二三代さんともどもお話をさせて頂く機会に恵まれました。1980年前半の西本願寺とS会の論争で矢面に立ったのは、ご自身の「信」に自信があったからこそだそうです。当時は浄土真宗本願寺派伝道院(現浄土真宗本願寺派総合研究所)におられました。
S会が西本願寺境内に押しかけた時には、シュプレヒコールで「紅楳英顕を出せ!」と言われたので、居合わせた先生は「私が紅楳英顕です」と出て行かれます。S会は先生の顔も知らずに、実際にご本人が出てきてギョッとします。
紅楳先生ご自身は、龍谷大学1年生の夏休み後の10月の初めに、信心を決定されたそうです。さあ、これから信心の世界を伝える努力をしようと、張り切って龍谷大学の伝道部に入部しますが、顧問の先生から有り難い話はしなくていいと言われガッカリします。
浄土真宗は、社会運動などに精を出すのではなく、信心を決定することこそが宗門が栄える最も大事なことだと強調されます。とても共感できます。信心不決定であることが問題であるとされます。
西本願寺の司教和上を、『妙好人列伝』に載せること自体が失礼なことではないかと憚られましたが、「構いません、そうして下さい」とのご厚情により、載せさせて頂きました。
2017年6月