第120回 山崎隆弘 その7       

龍谷大学大学院に通学しているときに、ときどき丸坊主になっている学生がいます。浄土真宗本願寺派で得度を受けたとのこと。2週間缶詰の合宿に参加しなければなりません。その間、電話、スマホは厳禁です。仕事をしている限りはムリだなと諦めていましたが、不思議と日程が空き、得度、教師教修の各々2週間の合宿に参加できました。これまた不思議なことに、その間にお客様からの問合せがほぼありませんでした。

大学院博士課程を出て、教師教修を修了していれば、浄土真宗本願寺派では宗学院本科生という道があります。周りからはムリだろうと言われましたが、和上方との面接試験の結果、入学することができました。通常3年のところコロナで1年休講と、卒論の再提出でもう1年かぶり、5年目の2022年に漸く卒業できました。毎週火曜日、水曜日は京都の本願寺に通い、出席率だけは良かったと思います。徳永勧学寮頭和上、内藤知康和上、淺田恵真和上など、本願寺トップの和上方から講義、論文指導を受けますので、さぞかし高い授業料を覚悟していましたが、なんとタダ! 有り難く拝聴させて頂きました。

得度すると華光会では、ご法話が回ってきます。大学院、宗学院で論文を書きながらのときは、どうしても教学寄りになっていました。増井悟朗先生は日常のことから判りやすくご法話されていました。最近は、教学を極力持ち出さずに、生活に沿ってお話しするように心掛けています。華光会館での法話は、菩薩方の前でお話しするようなものなので、かなり緊張します。まさに自分の信心が問われます。大学院に入学したときには、このように法話するようになるとは思ってもみませんでした。

家族では、二三代さんは、私が聞き抜いた翌年にアッサリと聞き開き、私にとっては観音菩薩です。次女の光ちゃんも、2021年に聞き抜き、私にとって最も厳しい勢至菩薩です。自宅の仏壇には、飛騨高山の東勝廣さんから彫って頂いた阿弥陀仏を安置し、床の間には増井悟朗先生書のご名号「南無阿弥陀仏」を掲げています。毎朝、浄土三部経(繰り読み)、「三帖和讃」(6首繰り読み)を唱え、『教行信証』を拝読しています。

2023年に建てた『サンガ』(事務所兼自宅)を拠点に、悟朗先生から頂いた「釈弘法(ぐほう)」という法名に恥じない、今生を送りたいと思います。後生は、家族揃ってお浄土に行かせて頂きます。

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