通称「小田原念仏」の小田原広理さんです。四国は高知県高岡郡に在住です。「小田原念仏」とは私が勝手に言っていますが、ご法座中、大きな念仏が吹き出すようにあふれてきます。華光会の法話CDには、小田原さんの常念仏と、瀧山真理さんの大きな笑い声が、だいたいセットで録音されています。
増井悟朗先生、西光義敞先生の還暦のお祝いの翌年の昭和61年に、華光会にご縁がありました。30年以上前、香川県高松市の高松興正寺別院で聴聞していた際に、興正寺派の僧侶から、興正寺派の学頭であった伊藤康善先生を紹介されました。そこで伊藤先生を創始者とする華光会館に連絡を取り、著作の『仏敵』を注文します。
早速、華光会の仏教青年会に参加し、ご示談を受けます。ただ、信を獲るまでには紆余曲折あったそうで、5年後の平成4年に獲信しました。元々、仏教に興味があり、大学もその方面に行きたかったそうですが、親の希望により公務員となります。
お話を伺うと、教学の広さにはビックリさせられます。浄土真宗に限らず、仏教の他の宗派のことも詳しく、仏教学者の名前も私なんかよりも随分とよく知っています。なぜか浄土真宗ではなく、約5年前に天台宗延暦寺で得度を受けます。カウンセリングを受けていた先生からのお勧めによるものだそうです。親鸞聖人がご修行された比叡山での得度です。
聞法旅行中に、因縁の比叡山でなぜ念仏があふれるのかということをお聞きしました。「なぜ南無阿弥陀仏さまを称えるかというと、仏様が読んで下さっているから、親様の呼び声が私の中に飛び込んで下さっているからです。南無阿弥陀仏さまになって私の口から出て下さる、私が称えようという気持ちもあるけれども、称え心も仏様がご廻向して下さり、自分には仏様を念じる心も信じる心も全くない。全てが仏様からのお手廻し、ご廻向としかいいがありません」南無阿弥陀仏。
2016年10月