第12回 有田修司さん

地元福岡の有田修司さんです。有田さんは「博多しゃぶしゃぶ あり田」の大将です。

30才の頃から、自分の存在の不安に悩み、仏教、特に禅宗に引かれ、人格が変わるのではないかと、禅の問答集を読んだり、座禅を組んだりしていました。鈴木大拙師の「妙好人」を読んで浄土真宗にも興味を持ちます。

39才の時に増井悟朗先生の「こころの時代 求め・捨て・転じられる」(NHK)が放映され、先生に会おうと思いますが、機会を逸してしまいます。45才の時、同じく「こころの時代」で「主人は自分―後生の一大事」が放映され、華光会の壮年の集いに参加します。

悟朗先生の分級(座談)に参加します。夜の懇親会では、先生がコップを裏返されて「観念的だと法は入ってこない」と諭されます。聞かないかんとわかってくるが、砂を噛むような念仏しか出てきません。

「この念仏は自力でしょうか?」と尋ねると、先生は「念仏に自力も他力もない。それがはからいや」と言われ、アッと思います。翌日の分級で、「わからんわからん」と言っていましたが、奈良の柳原さんから「死んでいけますか?」と問われ、心を凝視します。「助かりたい、信心頂きたい」という心がなくなってしまい、疑いの塊が木っ端微塵となりました。自分は空っぽで何もない、しかし笑えてきて仕方なくなります。

華光会館に行く時には、福岡に戻るつもりがなかったそうです。聞かせてもらうまでここにいようと思っていました。大分の首藤さんから一緒に帰りましょうと誘われ、新幹線の中で三河のお園さんの「お差しつかえなし、ご注文なし」ですねと言われ、注文つけていたのは自分であったと思い知ります。

有田さんが若い頃、バイト先で内山悟さんと出会ったことが飲食の道に入ったとのことです。その内山さんは私の事務所のランチェスター勉強会に数年、参加されていました。不思議なご縁です。最近は、仏教勉強会の後は、勉強会メンバーと内山さんのバー「スペースワン」か、「あり田」に行くことになっています。

2016年6月

 

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