第72回 大坪逹也さん 上

岐阜県高山市の大坪さんです。昭和38年生まれです。既にこの「妙好人」に登場した舟本民子さんが母親、舟本賢也さんが兄となります。東勝廣さんは叔父さんになり、法が熱い御一家です。
逹也さんは当初は仏法に興味がありませんでした。20代は人生が楽しく、登山・カヌーに夢中で遊びに行きたいばかりでした。30才の頃、舟本一家が華光会に出会います。

舟本家の家庭法座で増井悟朗先生を招かれます。そこに栗田さん、伊藤友一さんも名古屋から参加していました。福井の尾崎牧男さんの奥様、華澄さんのご示談となり、真宗は厳しい、という印象を受けます。

それでも興味は湧かず、舟本民子さん達が京都にお参りするときに運転手として行っていました。当時はいいバイトになりました。最近は運転手手当はなくなって寂しい限りだそうです。

ご法座を聴いてもよくわかりませんが、悟朗先生を見て「本当のことを言っとるな」と直感し、この人は本物だなと思います。しかし、座談となってもしゃべれません。今の姿からは想像もつきませんが・・・

3年くらいは、その状態が続きます。高山での家庭法座で、瀬上廣子さんのご示談の場面で、大坪さんが発言しようとすると、悟朗先生から「あんたはしゃべらんでいい!」とスパッと切られました。オレは聞けんな、見捨てられたと感じると同時に、阿弥陀様に見捨てられたと思います。

華光会は辞めようと思っていた夏に、ボーイスカウトの指導者をしていたこともあって山科別院で開催された華光子ども大会に、悟朗先生から意を受けた増井信先生よりお誘いがあります。遅れて夜に到着したとき、高校生の金山玄樹さん兄弟が山門まで迎えに来てくれていました。中学生の厚東証子ちゃん、教子ちゃん姉妹も参加していました。子どもでも熱心に仏法を求めているのにと、情けなくなってしまいます。

2021年6月号

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