第48回 山崎二三代さん

阿弥陀仏の本願は『無量寿経』では四十八願あります。この「現代に生きる妙好人列伝」は増井悟朗先生が往生された前月から始まっています。第1回が悟朗先生で、ちょうど丸4年となりました。

記念の48番目は独断と偏見で、山崎二三代さんに登場してもらいます。そもそも浄土真宗とは全くご縁がなく、S学会の出身です。私と付き合っている頃は、よく学会の会館に送り迎えしたものです。

結婚以来、S学会とはご縁がなくなります。結婚後、18年経って私が浄土真宗を求めだします。京都の華光会館に2年間通っても、「判らん判らん」と言って帰ってきて八つ当たりしていました。これは何が判らないのかを確かめなくては家庭が崩壊すると、二三代さんは一緒に法座に出るようになります。

事務所が華光会の会計顧問となったこともあり、華光会館で法座、座談と出ます。初めての九州での増井信先生のご法座で「死に様は関係ありません」という話を聞いて身体が震えます。今まで自分が経験した宗教と全く異なります。お金儲けや病気がよくなる、この世をどう生きるかという話やどのようにあるべきかという道徳や善悪の話ではない。つまり世間事ではなく出世間の話。私が知りたかった真実、人として生まれてきた理由の答えがここにありました。

二三代さんが聞き出して半年後にやっと押し出されて私は増井悟朗先生の座談で聞き抜くことができました。その1年後の華光大会の信先生のご法話で「何にこだわっているんですか!」と問われ、こだわる物は何もない自分、すべてに降参でした。悟朗先生の座談で、先生の前に一歩出て「南無阿弥陀仏!南無阿弥陀仏!」と称えます。本人は「あ〜スッキリした」と言っています。しかし、私が30年要したのに、まだ聞けるはずはないだろうと思っていました。

が! その後、お味わいを聞くと、正に聞いています。いつも感心するのは、決まった定型文言ではなく、毎回、自分の言葉でしゃべることです。私にとっても新鮮です。今では、信心のことは家内と一番よく沙汰します。最も意気投合できます。私を聞かすための菩薩様だったと味わっています。

2019年6月

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