第43回 上杉賢子さん 下

お姉さんが出産となりお母さんが1ヶ月家に不在でした。1人住まいとなり寂しくなります。そういう時に高山での法座に参加します。

お仏壇の前に大きな声で20分くらい念仏が出て、息ができないくらいです。「信心を得たんや!」と思い、仏青のメーリングリストに「お念仏様が出ました!大慶喜です!やったー!」「これから伝道をしていきます!」と書き込むと、舟本賢也さんから「ずっと聞法していくんです」と切られます。

念仏を握っては信先生から「魔境や!」と言われ、信心が崩れます。永代経では「後生が抜けている」と言われ、ショックを受けます。当時、剛信な念仏者がたくさんいた日高に行くことになりました。臨終をとりつめるためにホラー映画の「リング」をまだたきをせずに観て、7日後にに死ぬと定めます。

増井悟朗先生、瀧山真理さんと一緒に行きます。日高の人達の獲物を狙うようなオーラを感じ怖くなります。必死に聞法しますが、覚えてません。分級では熱い気持ちを伝えてくれますが、「わからんな~?」。そんな中、悟朗先生から「お前は大悪人、仏敵や!」と背中をバーンと叩かれます。事前に悟朗先生に決意のほどを手紙に書いていましたが、悟朗先生から①かわいそうやなー抱きしめたいなーという心と②今、仏さまが喚んで下さっているやないかーと怒りの気持ちが出てくると言われます。

法座が終わって、悟朗先生から半笑いされ、みじめの極みとなります。ここでアカンかったら諦めざるを得ないとガックリして車に乗ります。日高の山並みが見えます。これができるのに長い年月がかかったんんや、ヨッピのために全部作ったんやと、山が言っているように感じました。生きている全てのものが、私一人の後生を心配してくれていたんだと、ハッと気付かされます。本当のお母さん、お父さんとわからせてもらいました。

今までの「どうしたら、どうしたら」という思いが全くなくなってしまいました。

2019年1月

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