第91回 東悦子さん 下

永代経の全体座談で、悟朗先生に手を挙げ、「グズグズしとって、一歩も踏み出せません」と言うと、先生は「グズグズしながらでも、飛び込んだらどう?」と応えられ、20分ほど、悦子さんに対してお話しをされます。先生は「手紙を読んで嬉しかった。泣きたかったら、泣いていい」と言って下さいましたが、しかし、その時は聞き開けませんでした。

2ヶ月後、家で夕飯の支度をしているときに、ふと、私は地獄しか行き場がなかったんや、私は10倍も、100倍も深い地獄行きであったと知らされます。ただ、堕ちたはずなのに何故か堕ちることが嬉しい。地獄一定の私であったことを聞かせてもらいました。

永い間、阿弥陀様にご苦労をかけてきたことが同時に知らされます。その時はどうやってご飯を食べたかも覚えていません。2~3日は夢遊病者のように過ごしました。胸を叩いても返事がない。その時にふと、大西先生に前に聞いたことがある「抜苦与楽、転迷開悟」の言葉が浮かんできました。その時ただお念仏が南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と湧き上がってきました。

1週間、ご主人の勝廣さんには黙っていました。その後、聞かせて貰ったことを打ち明けると、ご主人は、先を越された!と真っ青になったそうです。その後、勝廣さんは、名古屋の伊藤友一さんのところでの法座で聞かせてもらいます。

悦子さんは、大きな幸せをいただいて、これは人に勧めずにはおられない、伝えずにはおられないとの思いを強くします。悦子さんが聞かせて貰ったのが平成6年(1994年)のことですから、今年は令和4年(2022年)になり、あれから28年になります。

今年、華光誌八十周年記念行事があり、悟朗先生の奥様、行子様のご法話があり、是非伺いたいと久々に華光会館に勝廣さん、高山のご同行とお参りしました。

高山では悦子さんにお会いしたことはありましたが、会館では初めてお会いでき、今回の貴重なインタビューとなりました。

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