根岸さんは、東北大学大学院を修了後、栃木県で県立高校の数学の先生をしています。2021年は年男で8月で48才になります。中学3年の時にお母さんが乳ガンを患い、10年間の闘病後、お亡くなりになります。
その間、お父さんは、肝硬変を患い、家族のために頑張ってきたのに、どうして自分だけがと追い詰められ、何度も自死しようとしたとのことです。現実を受け入れることから始め、近所の人に笑顔で挨拶できるようになり、仏法とは関係なしに、ガラッと変わります。
お父さんは、他の人もきっと同じ体験をした人がいるはずと禅宗の寺などを回ります。西光義敞先生の真宗カウンセリングに辿り着きます。そのご縁で京都の華光会館に行くようになりました。
根岸さんは病床のお母さんとどう過ごせばいいかと悩み、お父さんの姿を見て、華光会に救われる道があるのではないかと、平成9年、仙台から京都へ永代経の法要にお参りします。前日から宿泊し、増井信先生、孤杉英章先生からをお話しをして頂きます。
永代経に参加をしていた人たちが「人間に生まれてきた目的は仏法を聞くことだ」と言っていたことが強く印象に残ります。しかし、聞き開くことはできずに新幹線で戻ってきます。その年にお母さんはお亡くなりになります。亡くなる直前に「お父さんの言っていることは正しいよ」と道を示してくれました。
大学院修士課程中で、時間はあったので京都に通いだします。地獄行きだということは分かりますが、お父さんの体験が欲しくて求めている状態でした。
平成11年の松岡先生との座談で、3日間「納得するような根岸君ではないことを阿弥陀様は知っていて、そのままでいいといってくれるんだよ」と繰り返しお話しを頂きます。心が許さなくても「うん」と言うしかないかなあという気持ちになり、「うん」と答えてみます。