第85回 鍋嶋証子さん 上

熊本市の証子ちゃんです。同市の本願寺派蓮光寺で生まれ、2022年に39才になりました。学生時代、華光会館に下宿していたお父さんの厚東若栄先生は、食事中も仏法の話しかしないような方でした。小学6年から華光会の子ども大会に参加するようになります。夏休みに行われる合宿で、キャップファイヤーなど楽しい行事などがあります。お陰で、全国にお友達もでき、毎年の楽しみとなりました。

遠藤惟紗子さんと親友になり、惟紗子さんが求めている姿を見て、触発されます。高校3年まで毎年、参加しました。その後、京都女子大学に進学し、大学4年間と卒業後の小学校教諭で4年間、計8年間を京都で過ごします。その間、華光会館で求道します。ご本人によれば「ザ・求道」だったそうです。「どうしたら信心が得られるんだ」と求めていきます。いわゆる「信心決定病」です。

証子ちゃんが14年前に書いた「体験記」を読むと、前に出ての号泣念仏は数知れず。仏青のメンバーと競争のように求めていきます。そのうち、一人が獲信したようになって、その喜び方が尋常ではなく、うっとうしく感じます。その間も、ズーッと「どうしたら」が抜けません。

座談で自分の心境を話しても、ズレていると言われます。仏青のなかでの恋愛関係、人間関係でドロドロとなり、仏法とゴッチャになってしまいました。あの人には会いたくという醜い感情を見せつけられます。人間関係でいっぱいいっぱいになってしまいました。

ところが、松岡先生の座談で、求める心はいいと思っていましたが、それこそが仏敵だったと知らされます。全部いらなかったんだ。ジャマしていた。獲信とか喜びとか、自分にはそんなバーンとしたものはない。求道と思っていたもの、求道ごっこが終わりました。終わらざるを得ませんでした。自分が思っているような信心決定はない。あったとしても自分が作り上げたものだと知らされます。

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